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Golf Traveler! by Yoshinobu TSUKADA

勝利への道程

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今日は言葉少なく思うことを伝えられたらと思う。無理かな…。

2011年のパナソニックオープンは、平塚哲二が4打差を逆転して、見事に勝利を手にした。

素晴らしいことだし、平塚哲二にはその資格があると思う。けっしてまぐれや運のみで勝利を手にしたわけではない。

できるだけ多くの人にしって貰いたいのは、この平塚哲二の勝利は、ただ単に日本人が日本で行われた試合に勝ったという事ではないということ。

複勝をあげ日本でも指折りのプレーヤーであった平塚が、アジアンツアーへ再び向かったのは数年前。わざわざQTを受験してのツアー参戦。初年度は、ミャンマー、マカオ、インド、インドネシア、カンボジア、などアジアンツアーでも皆が好んで行かない試合を文句も言わずにこなしていた。日本で5000万から一億近くを稼ぐプロがキャディー1人を連れてアジアの中でもマイナーな国を周る。それだけでも尊敬に値すると思う。平塚は、それをこなし翌年はアジアンツアーで見事に3勝をあげる。同時に、獲得した欧州ツアーへの参戦権も行使し多忙ながら3ツアーで戦った。日本、アジア、欧州での獲得した賞金首は一億を越えた。その合間に米国でもPGAなどの試合をこなしている事を指摘しておきたい。

金額にしたら、日本の賞金王にかなわないかもしれない、だけれど3ツアーに跨って一年を戦って獲得した賞金が一億を越えたことは賞賛以外の何ものでもない。時差、風土、気候、食事、その全てが違うツアーを3つも一年でこなすという事がどれほど大変なことか。そんな事をおくびにも出さないで、飛び回る平塚には、ツアープロゴルファーとしての向上心を感じた。いま日本人のプロゴルファーで、ただ1人平塚哲二だけが持っていると思う。

そんな平塚哲二が、自国開催のパナソニックオープン、よく言えば地元の滋賀での開催の試合で勝利を熱望していないわけがない。アジアンツアーから欧州を周り、サッカーでいえばアウェイばかりをの試合を戦ってきた平塚が、地元で、そして自国の試合で勝たないわけにはいかなかったと思う。たぶんそうだと思う。苦しんできた分、自分のいる場所では負けられなかったのだと思う。

この勝利を、ただの日本人の勝利だと思って欲しくない。アジアで欧州で戦ってきた人間の意地の勝利だと、そう思って欲しい。

関西に平塚あり、そして日本に平塚あり!この勝利で平塚哲二は自分の存在を改めて海外に示したと思う。素晴らしい!

本人も欧州が好きと言っているように、オレ個人としては、平塚がこのままアジアから欧州を越えて、西周りでUSツアーまで辿り着いて欲しいと思う。そしてマスターズまで。何度もこのブログで言うけれど、太平洋を越えて米国へ行くのは裏口から行くようなもの。米国の東海岸から入るのが表玄関!平塚哲二には、堂々と西周りで世界を周って欲しい。いま唯一日本人でそれができるのは平塚哲二だと思う。

他人の勝利だけれど、こんなに嬉しく感じたことはない。いいように海外からの選手に荒さらている日本ツアー。オレを含めて、平塚ほどの意地を持って戦っている選手が何人いるのか?日本人が負けちゃいけない試合ってあるだろ。そこで勝てる奴が1番強いと思う。

ゴルフの試合はテレビで観る、たった1時間程の番組枠でしか知らない人が殆どだと思う。だけれどテレビに映らない所での、それぞれのプロのストーリーがファンに伝わったらと願う。そうしたら現状の1人に依存する体質から脱し、もっとオモシロイツアーの姿が見えてくるかもしれないのに。

※写真は今年のサムイ島でのもの。どっちがどっちだか分かるでしょ?
by yoshi_tsukada | 2011-09-26 06:49 | Traveler's