無謬主義(むびゅうしゅぎ)
【無謬】 理論や判断にまちがいがないこと。「推論の―性」 ※大辞泉より抜粋
元々本を読む事が好きで、時間があれば本を読むようにしている。あまり難しい本は読まないけど…すぐに寝てしまうから。最近、よくチェックするTwitterで知った上杉隆さんに興味を持ち、Amazonで『上杉隆の40字で答えなさい』という本を購入!(善し悪しは別として)普通のマスコミが書かないような(書きたくないような)事を簡潔に解り易く書いていて、なかなか勉強になるしオモシロい本だと思う。
そんな上杉さんの本の中、「外交の目的とは何か?」という項で、【無謬主義(むびゅうしゅぎ)】という言葉を使って今の日本の外交弱さや弱点を説明している。要は「無謬主義の弊害として、間違いをしてはいけないという前提で物事をすすめるから、ミスを許すことができない社会となり、みんなが萎縮してしまう」ということを書いている。確かに、ここ数年の政局を新聞やテレビで観ていても、すぐに支持率だなんだと重箱の隅をつついて間違い探しばかりしている感が否めない。
じつは身近な所でも、同じような【無謬主義】的な事が常態化して存在しているような気がしている。それは日本ツアーのトーナメントコースのセッティング。世界中全てのコースを周り、全てのツアーで戦ってきているわけじゃないけれど、ずっと感じていたのは、日本のコースセッティングのコンセプトは他のツアーとは違うということ。コースそのものではなくて、コースセッティングをする為のコンセプトということ。
この【無謬主義】という言葉に出会うまでは、自分の内側にある感覚を言い表すことができなかった。上杉さんの本を読み、この言葉に出会って分かった。日本のトーナメントコースのセッティングのコンセプトに影響しているのは、この【無謬主義】なんだと。この主義というのは、潜在意識の中で日本人の中の深い処に根付いているように思う。だからコースセッティングを担当している人が、それを意識して仕事をしているとは思わない。だけど、常々自分が日本のトーナメントコースのセッティングから感じていたのは『フェアウェーを狭く、グリーンを硬く、そして速く、攻める為の飛距離等のリスクを追うよりも、曲げない、リスクを追わないゴルフが正解』ということ。世界でもフェアウェーが狭く、ラフも長いコースは幾らでもある。だけどコースから受ける印象が同じように難しくしてあるコースでも、日本のコースから受ける印象とは全く違う。ただ気候や芝や人間が違うからということじゃなくてね。どこかコースセッティングを決めるコンセプトの中に、潜在的に日本人的な感覚として【無謬主義】的な要素が入るんじゃないかな。同じ難しいセッティングでも、攻めようという気持ちになれない、どうしても慎重に丁寧にミスをしないようにという方向へ気持ちがいってしまう。
ここ数年は、遼君の台頭で若手も飛距離を武器にかなり強気なゴルフをする人間も増えてきて、3年前くらいからはコースセッティングにも変化が見えるようになってきた。グリーンが平均的に柔らかくなり、リスクはあるけれど攻める事ができるようになってきたから。
また善し悪しとは関係なく、海外ツアーではトップ選手でありながら、極端に高低差を打ち分けたり、目を見張るくらい大きく曲がるドローやフェードを打つ選手が結構いる。もちろんストレートに中段道くらいに打てれば、一番安全で、どこのコースでもソコソコに対応するゴルフができると思う。でも特徴のある球を打つ選手は、ギャラリーからは魅力があるように見えると思うし、調子と相まって自分の持ち球がセッティングと上手くマッチすれば、ドラマティックなゴルフができる事もあると思う。スクウェアなスウィングでストレートを打つのが良いとか、そんな事は言わないけれど、プロのトーナメントであるのだから、もっと個性のあるスウィングであったり、個性のある球を打つ選手が、選手の数だけいてもいいのにとは思う。日本ツアーには、スウィング綺麗で機能的で、素晴らしい球を打つ選手が結構いる。逆に、個性のある選手が少ないのが事実。それにはトーナメントコースのセッティングの在り方が、必然的にツアーで生き残れる選手の種類を選択しているのかなと思う。個人的には、もっと個性ある選手がそれぞれに個性あるプレーをした方が、ゴルフファンにとっても観ていて楽しいのではないかなと…。それには、リスクを恐れずに攻めるようなセッティングを考えた方がいいと思う。決して易しくするという事ではないと思う。もしかしたら、欧米のツアーからアドバイザーとして、人を派遣してもらって一緒に勉強してもいいのでは?とも思う。【無謬主義】悪いことではないと思う。だけど、それが常態化してしまうのは、やはり弊害が大きいと思う。
ということを上杉さんの本を読みながら考えてしまった。
※コースセッティングから受ける印象は、個人の技量によっても難易度に違いがでるから、一概にみんなが同じような感覚を持っているかどうかは判りません。また2000年以前もツアーにはでていないので、その頃のコースセッティングがどうなっていたのかは分かりません。
元々本を読む事が好きで、時間があれば本を読むようにしている。あまり難しい本は読まないけど…すぐに寝てしまうから。最近、よくチェックするTwitterで知った上杉隆さんに興味を持ち、Amazonで『上杉隆の40字で答えなさい』という本を購入!(善し悪しは別として)普通のマスコミが書かないような(書きたくないような)事を簡潔に解り易く書いていて、なかなか勉強になるしオモシロい本だと思う。
そんな上杉さんの本の中、「外交の目的とは何か?」という項で、【無謬主義(むびゅうしゅぎ)】という言葉を使って今の日本の外交弱さや弱点を説明している。要は「無謬主義の弊害として、間違いをしてはいけないという前提で物事をすすめるから、ミスを許すことができない社会となり、みんなが萎縮してしまう」ということを書いている。確かに、ここ数年の政局を新聞やテレビで観ていても、すぐに支持率だなんだと重箱の隅をつついて間違い探しばかりしている感が否めない。
じつは身近な所でも、同じような【無謬主義】的な事が常態化して存在しているような気がしている。それは日本ツアーのトーナメントコースのセッティング。世界中全てのコースを周り、全てのツアーで戦ってきているわけじゃないけれど、ずっと感じていたのは、日本のコースセッティングのコンセプトは他のツアーとは違うということ。コースそのものではなくて、コースセッティングをする為のコンセプトということ。
この【無謬主義】という言葉に出会うまでは、自分の内側にある感覚を言い表すことができなかった。上杉さんの本を読み、この言葉に出会って分かった。日本のトーナメントコースのセッティングのコンセプトに影響しているのは、この【無謬主義】なんだと。この主義というのは、潜在意識の中で日本人の中の深い処に根付いているように思う。だからコースセッティングを担当している人が、それを意識して仕事をしているとは思わない。だけど、常々自分が日本のトーナメントコースのセッティングから感じていたのは『フェアウェーを狭く、グリーンを硬く、そして速く、攻める為の飛距離等のリスクを追うよりも、曲げない、リスクを追わないゴルフが正解』ということ。世界でもフェアウェーが狭く、ラフも長いコースは幾らでもある。だけどコースから受ける印象が同じように難しくしてあるコースでも、日本のコースから受ける印象とは全く違う。ただ気候や芝や人間が違うからということじゃなくてね。どこかコースセッティングを決めるコンセプトの中に、潜在的に日本人的な感覚として【無謬主義】的な要素が入るんじゃないかな。同じ難しいセッティングでも、攻めようという気持ちになれない、どうしても慎重に丁寧にミスをしないようにという方向へ気持ちがいってしまう。
ここ数年は、遼君の台頭で若手も飛距離を武器にかなり強気なゴルフをする人間も増えてきて、3年前くらいからはコースセッティングにも変化が見えるようになってきた。グリーンが平均的に柔らかくなり、リスクはあるけれど攻める事ができるようになってきたから。
また善し悪しとは関係なく、海外ツアーではトップ選手でありながら、極端に高低差を打ち分けたり、目を見張るくらい大きく曲がるドローやフェードを打つ選手が結構いる。もちろんストレートに中段道くらいに打てれば、一番安全で、どこのコースでもソコソコに対応するゴルフができると思う。でも特徴のある球を打つ選手は、ギャラリーからは魅力があるように見えると思うし、調子と相まって自分の持ち球がセッティングと上手くマッチすれば、ドラマティックなゴルフができる事もあると思う。スクウェアなスウィングでストレートを打つのが良いとか、そんな事は言わないけれど、プロのトーナメントであるのだから、もっと個性のあるスウィングであったり、個性のある球を打つ選手が、選手の数だけいてもいいのにとは思う。日本ツアーには、スウィング綺麗で機能的で、素晴らしい球を打つ選手が結構いる。逆に、個性のある選手が少ないのが事実。それにはトーナメントコースのセッティングの在り方が、必然的にツアーで生き残れる選手の種類を選択しているのかなと思う。個人的には、もっと個性ある選手がそれぞれに個性あるプレーをした方が、ゴルフファンにとっても観ていて楽しいのではないかなと…。それには、リスクを恐れずに攻めるようなセッティングを考えた方がいいと思う。決して易しくするという事ではないと思う。もしかしたら、欧米のツアーからアドバイザーとして、人を派遣してもらって一緒に勉強してもいいのでは?とも思う。【無謬主義】悪いことではないと思う。だけど、それが常態化してしまうのは、やはり弊害が大きいと思う。
ということを上杉さんの本を読みながら考えてしまった。
※コースセッティングから受ける印象は、個人の技量によっても難易度に違いがでるから、一概にみんなが同じような感覚を持っているかどうかは判りません。また2000年以前もツアーにはでていないので、その頃のコースセッティングがどうなっていたのかは分かりません。
by yoshi_tsukada
| 2010-10-16 05:42
| 雑談…