パッティングの癖について(3)
このZINGを使ったデータは、オモシロイことにCRAZ-Eを使ったものとは違うものがでてきたんだ。ある意味、正反対の結果と言っていいかもしれない。まず、ほぼ確実にフェースの芯でボールを捉えるようになったということ。さっきまでトォー側でヒットしていたのに、ほぼセンターでボールをヒットするようになったんだ。不思議だよね。個人的に思うには、構えた時に、ヒールにネックが付いていると、芯からネックまでにフェースバランスのものよりも視覚的なスペースが見えるようになる。これが関係あるのじゃないかなと思う。但し、フェースの芯でボールを捉えるようになったけれども、今度はリピータビリティーが低くなり、フェースローテーションが度~4度大きくなり、インパクトでフェースがかぶって当たるようになったんだ。これは完全にパターの違いを身体が感じ取り、反応した結果だと思う。同じようにストロークをしているつもりでも、データとして数字に表すと、まったく違う動きになっているなんてね。人間の感覚的なセンサーは凄い。
と、ここまででセッションは終わり、どうしようか?っていうことなんだ。あくまでPINGのスタッフはデータとしてパッティングストロークの状態を示してくれたわけで、それを元にどういうパッティングをするかは選手個人の判断になる。最初にも書いたけれど、個人個人でストロークは違うし、使うパターも違う。観戦にいったフェニックスオープンでみた、ケニー・ペリーなんかはCRAZ-Eパターを使っているにもかかわらず、パターのトォーを大きく浮かせて打つスタイルだし、日本でいえば手島多一のようにカットに打つ名手もいる。自分も、もらったデータを元にどうしていくのか?考えないと。フェースバランスのリピータビリティーと安定性にL字タイプの芯でヒットできる要素が加わるようにするのか?それともパターを替えて、L字タイプでリピータビリティーと安定性を求めていけばいいのか?上手く二つのまったく異なる要素から、いいところだけを取って組み合わせられればいいのだけれど…まず、どっちからのアプローチにするのかを考えないとね。
正直まだ、どうしていいのかわからないなぁ。どっちから進むにしても求める答えは一緒なんだけれど、どちら側からアプローチするかというのは凄く大事なことだと思う。ZINGのようなパターに違和感を覚えるていうのが、何かのヒントのような気がするんだよなぁ…。
一つ最後にオモシロイ話を。
フェニックスへ行って、パッティングの解析をする2ヶ月も前に、B61のパターをオーダーしていたんだよね。B61は完全にヒールにネックのついたL字タイプのパター、見た目はPINGネックの普通のパターにみえるけれど、種類的にはZINGと一緒のタイプのパターになる。無意識のうちに、何かを感じていて、いままで使っていたCRAZ-Eとは違うタイプのパターを欲していたのかな?と思ったんだ。データとしてみる前に、何かを感じていたんじゃないかなと…。何か欠けているものを探すような行動というか、そんな気がしてならない。
終