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Golf Traveler! by Yoshinobu TSUKADA

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WIRATCHANT'S SANDWEDGE

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マニアまでいかなくても男子のゴルフツアーに詳しい人なら名前くらいは聞いたことがあるかもしれない。アジアンツアーで12勝を挙げ賞金王にもなったことがあるタイのタウォーン・ウィラチャント。お世辞にも美しいとは言えない彼のスウィング。正直に言えば、ハンディ30くらいじゃないか?っていうくらい個性の強い…癖のあるスウィングをしている。一度でも見たことがある人ならば、決して忘れられないと思う。雑誌で有名コーチらが、スウィング中にやってはいけない事のリストに挙げていることすら取り入れているウィラチャント。彼がどうやって、そのスウィングに行き着いたのか、不思議ではあるけれど、彼にしか理解できない感覚をもってそのスウィングは機能している。それもかなりの高いレベルの次元で。自分のプロの端くれとして、他人のショットを見れば、どうやって打っているのかは理解できる。同じレベルでショットを再現できないこともあるけれど、どうすれば打てるのかは解る。しかし、このウィラチャントのショートゲームは、一体どうしたらそんな球が打てるんだ?というレベルにある。それがプロとしての武器であるのだろうし、その武器があるからトップまで上り詰めたんだろう。

そんな彼が、大事に使っていたサンドウェッジがPING EYE2+。これはバンカーショットに使っていたクラブ。クラブソールは、自分仕様に削ってある。元々特殊な形状をしているEYE2+だけれど、そのソールのバンスを少し落としつつ、フラットな面を削りだしている。これも長年の彼の経験から得たモノであり、他の誰かが使っても機能しないソールだと思う。ウィラチャントは、このクラブでバンカーからフワッとした柔らかい球、強烈なスピンの効いた球、高低差を打ち分けりと自由自在に球を操っていた。もし彼の練習に出くわしたなら、もう目を奪われるしかない。それくらい凄い。実際にトーナメントで一緒にプレーしたこともあるけれど「嘘だろ?」っていうショット何回も見せられた。アレは、プロになって初めて優勝を意識してプレーした2005年のベトナムでのトーナメントの最終日だった。ハーフターンをして、確かトップか1打差くらいにいたのだと思う。こっちは優勝が目の前にチラツキ始めて、スコアを伸ばせずにもがき始めるのを尻目に、ウィラチャントはスーパーセーブやスーパーパットを次々に決めていった。諦めていたわけじゃないけれど、あの日、「今日こいつには勝てないんだな…」と思い知らされたのを今でも覚えている。

その時のクラブがコレなんだ。

なぜか、そのクラブが手元にあるんだ。大事にしようと思う(笑)
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by yoshi_tsukada | 2012-05-20 11:39 | Clubs/Equipments | Comments(5)

歩く男

2012年シーズンからアジアンツアー賞金王の肩書きと共に日本ツアーに新たに参戦してきた、フィリピンのジュービック・パグンサン。昨年は未勝利ながらシンガポール・オープンで2位となる。惜しくもプレーオフで破れたものの66万ドルを稼ぎ、アジアンツアーの賞金王になった。身体は小さいけれど、ドライバーの飛距離はかなりのもの。現時点でのアベレージは290ヤードを超えてトップ10に入るほど。ついこの間の日本プロ選手権の練習日に後ろの組をプレーしていたジュービック。振り返る度に、ジュービックのティーショットの距離に正直驚いた。
これは市原コウダイに聞いた話だけど。ジュービックは昨年、目標をシンガポール・オープン1本に絞り、それに向けて練習とトレーニングをしていたとのこと。大好きだったお酒も断っていたらしい。フェルナンデス・カスタノとのプレーオフに破れ勝利こそ逃したものの、努力は実りアジアンツアーの賞金王になったジュービックにはオメデトウと言いたい。日本ツアーでも頑張って欲しいと思う。フランキー・ミノザの後に続くフィリピンのプレーヤーとして。

今週のとおとうみ浜松オープン、たまたまジュービックと宿が一緒だった。コースから約7kmほど離れた弁天島駅の近くのホテルに泊まっていた。コースまでは車でほんの10分ほどの距離で便利な場所だった。しかし毎日ジュービックは、コースの行き帰り、その道のりを歩いていた!たまたまプラポールと亮平が行きがけに見つけて「乗っていくか?」と声を掛けたら、トレーニングで歩いているんだと言って、競歩並のスピードで歩いていったらしい。もう10年くらいツアーにいるけれど、トレーニングの一環とはいえ、コースとの往復を歩いているプレーヤーをみたことがない。スゴいとしか言いようがない。ジュービックのプロとしての意識の高さを感じる。

自分の目標を達成する為に、自分の決めたことをやり続ける。じつは簡単なようで難しいよね。ジュービックは、努力すれば報われるということを身をもって知り、それが自信になりさらに努力しているんだろうね。ツアーへ観戦に行くことがあるならば、こんなプレーヤーもいるんだと、ちょっと観てあげて欲しい。

ちなみにジュービックのエース・パターはPING ANSER。もう18年以上も使っていると言っていた。古いブロンズのアンサー。なんかちょっと嬉しかった。
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by yoshi_tsukada | 2012-05-19 15:24 | Traveler's | Comments(4)

夜明けの出発

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早朝の便に乗り日本へ帰るのが最近のパターンになっている。まだ暗いうちに空港へ向かうのは嫌いではない。出発するんだという気持ちにさせてくれるから。

一週間の短い?合宿だったけれど、真っ黒になるまでゴルフができたことに感謝。ゴルフに食事に付き合ってくれた方々にも感謝です。また次回に対決をしないといけない人もいる。2回も美味しい思いはさせないので、そのつもりで!(笑)

それでは!

バンコク空港より
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by yoshi_tsukada | 2012-05-03 09:11 | オフ・アジア編 | Comments(13)

地上100メートルの高さのプレッシャー

以前買って本棚に置きっぱなしになっていた本を何気なく読み始めた。その中に、とても素通りできない文章があった。



「技術的には特に難しいことではない。気持ちが萎えなければだ。たとえば、幅30センチの板の上を歩くことーこれには、特別な技術はいらない。しかし、この幅30センチの板が、地上100メートルの高さのビルとビルの間に渡されていたらどうか。地上であれば間違いなくできるその行為が、できなくなる。それと同様の精神的なプレッシャーがかかる。(夢枕獏著『神々の山嶺(下)』十八章 アイスフォール (P291)」




その通りだと思う。自分のいる世界に当てはめてみると良くわかる。1メートルの距離のパットが難しいわけではない。250ヤード先のフェアウェーにボールを落とすことが難しいわけじゃない。トーナメントという舞台の上で、その1メートルのパットを迎えた時に、自分ができるはずのことにまったく自信がなくなってしまうことがおきるんだ。オレは、30センチの幅の板の上を歩くことを練習するのではなくて、地上100メートルのビルの上で自分を失わずにいられることを身につけないといけないんだと気づかされた。

いまツアーの休みを利用してバンコクで練習をしている。この本を読んで、果たして自分がやっていることが正しいのか。それとも地面の上に置いた板の上を歩く練習をしているのか。わからなくなってきた。この本で出会えたのも何かの縁だと思う。これを機に考えてみたい。
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by yoshi_tsukada | 2012-05-01 20:10 | Comments(1)